市浦小学校長 工 藤 論
今から二〇年近く前のことです。技術の授業で折りたたみ椅子製作の学習をしていたとき、ある生徒から、「先生、わいさ何にもかまってけね」と言われてびっくりしたことがありました。当時、できるだけ自分の力で作らせたいという考えから、なるべく手をかけないようにしていたのです。生徒の気持ちを理解していない自分の指導力のなさを痛感しました。このことがあって以来、技術の授業で何か作るときは、生徒と一緒になって作り上げるという気持ちで取り組んできました。今思うと、この生徒は当時友達の中にとけこむことができず、寂しい気持ちもあったと思います。それにしても、このことがあってから私は子どもと一緒になって、子どもに寄り添うような気持ちで勉強を教えることが大切ではないかと考えるようになりました。子どもに十分手をかけてあげれば、子どもにはやがて自分の力でやってみたいという気持ちが芽生え、自分でやれるようになるのではないかと思っています。校長室からは、十三湖、その向こうには岩木山が見えます。風光明媚な景色に恵まれ毎日を過ごせるのは、ありがたいことです。この風景が、朝スクールバスが到着するときや休み時間になるととたんににぎやかになります。子どもたちの元気な姿を見ていると、私も頑張るぞという気持ちになります。校舎内には、毎日元気のこだまが響きわたっています。子どもたちが学校に来て、教室にいることが楽しい、勉強することが楽しい、みんなと遊ぶことが楽しい、そんな学校であって欲しいと願っています。子どもたちは、やがては社会を支えるときがやってきます。そうなったとき、立派に活躍できるよう、その基礎を身につけさせるため、私は校長として、微力ではありますが、子どもたちにしてやれることは何か、そして、先生方にしてやれることは何か、自問自答しながら取り組んでいきたいと思います。
2005年08月02日
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